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執筆者の写真片岡 美宥

SDGsカフェ 〜今、求められる教育「映画Most Likely to Succeed』」上映会とワークショップ〜

今年から始まりました「SDGsカフェ」。第3回では、「今、求められる教育」をテーマに、学校教育を問い直すキュメンタリー映画『Most Likely to Succeed』を鑑賞し、会場の皆さんと対話をしました。

まず、上映する映画に出てくるHigh Tech Highというチャータースクール(特定の目的をもって設立される学校)について簡単に説明します。


この学校は2010年に開校したアメリカのカルフォルニア州にある公立校で、小学校、中学校、高校があります。学んだことはテストではなく文化祭で評価され、詰め込み式の受験に向けた勉強ではなく、学生が主体的に深く学び、失敗や成功を通じて人間的にも成長できるそうです。未来型教育を研究・実践しているHigh Tech Highの21世紀型の授業の実際をこの映画は克明に報告しています。

映画の詳しい情報はこちら↓

http://www.futureedu.tokyo/most-likely-to-succeed


アメリカの教育カリキュラムは大量生産を推し進めていこうとした1892年に制定されたものであり、世の中は変わっても教育は120年以上変わっていません。世界の経済が激変した中で学校教育の改革は遅れています。これは日本ににた状態といえるでしょう。

この先、「より創造力の高い仕事だけが生き残っていく時代となる」そう考えると今の教育システムで十分なのかという疑問が生じてくるでしょう。その答えを導くヒントがこの映画の中にはたくさんありそうです。


この映画をみると今までの学校教育の概念とのギャップを感じて、疑問や不安、あるいは気づきや確信などさまざまな思いが浮かんできます。映画を見終わってすぐ、そんな熱い想いを隣の人と語り合い、そして4-5人のグループでワークショップを開始しました。

この映画は見て終わりではなくこの問題の当事者である学生やその親、教師をはじめさまざまな立場の人が意見を交えあうことが重要です。


このワークショップをファシリテーションする 北陸大学経済経営学部教授、地域連携センター長である藤岡さんは「これはアメリカの学校の話であり、急いで日本で取り入れるのも変な話。日本には日本のいいもの(keep)もあれば、問題(problem)もある。そして取り込むべきと思うこと(try)もある。それをみんなで考えるワークショップにしたい」とおっしゃり、1人ひとりが思うことを付箋に書き、keep,probiem,tryと3分割された模造紙に貼っていくことになりました。

今回さまざまな世代が集まり、いろいろな意見が出ましたが、「keep」には礼儀正しさなど日本人らしさに関係する意見が多く、また「problem」では、子供の個性を伸ばせていないなど今の教育が抱えている問題とリンクした意見が多く見受けられました。


藤岡さんによれば、少子高齢化など、日本は世界の「課題先進国」であり、地方はさらにその先を進んでいる最先端地だと言います。そんな地方で生活や仕事をしている人たちの意見を高校生たちが聞き、そして一緒に挑戦していけるプロジェクト型学習ができたら、「それはもう、間違いなく世界最先端の教育」だと強調します。



日本でもさまざまな教育改革が起こり始めていますが、その全てに当てはまる共通項があるそうです。それは、「学校の先生に全て授業を丸投げしないこと」。親や地域の人たちが、みんなで相談しながらみんなで育てているということです。「今の学校は・・・」と、ただ批判するだけでは、改革は始まりません。周りの人たちがどuう参画していけるかということがキーとなります。


2030年の社会を想像してみたときに、今の教育制度で大人になった子供たちが、その社会でどんな活躍をしているでしょうか?まずは皆さん1人ひとりがその姿を想像してみることから、いろいろなことが始まりそうですね。

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